- 2025/09/11 (Thu)
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- 2008/08/30 (Sat)
シリーズ
前の続き。3話目です。・・・カテゴリー分けしといたほうが見やすいかなぁ。まぁ、数が増えていったら考えよう。
ではではー。
てか私、ハリポタ最終巻にまだ手をつけてないんですけど・・・関係は・・・たぶん、あんまし、ないよね。うん、たぶん。届いたまんまで玄関においてあります。
ではではー。
てか私、ハリポタ最終巻にまだ手をつけてないんですけど・・・関係は・・・たぶん、あんまし、ないよね。うん、たぶん。届いたまんまで玄関においてあります。
15 April 1998
不思議な魔法のような――とはいっても私は魔女なのだけれど――出来事がおきたのです。ついさきほどまで私はホグワーツにいたはずなのに、目を開けるとそこは違う場所でした。もしかして私は自分でも知らないうちに姿あらわししてしまったんでしょうか・・・でもホグワーツでは――私、早くホグワーツへ帰りたい。ここは怖い。どうして簡単にあの人たちは人を――それに言葉が通じなかった・・・気絶していたせいか上手く考えがまとまらない。またあの人たちがここへくるだろう。怖い。魔法が、使えない。どうして?
tr?s
わずかな閉塞感の後、ヘルガは自分がさきほどの集団から逃げられたのだと安堵した。それでも体はまだ震えている。悪く言えば温室育ちなヘルガ。そのヘルガが蜘蛛――幻影旅団の殺気を肌で感じたのだ。視線だけで人を殺すことが出来るというならきっとそれは彼らだろう。怖くないわけがなかった。
「君は、」
周りなどてっきり見えていなかったヘルガは、その声にはっとし、今自分が姿あらわしした場所がただの街道だということに気づいた。そして今まさにへたりこんでいるヘルガの数メートル先に少年がいることにも。
震えは治まったが、今度はヘルガの杖を握りしめる手に力がこもった。嫌な沈黙。
この少年も、あの人たちみたいに人を殺めたりするのだろうか。ホグワーツから離れて数分。たった短い時間の間に、ヘルガはずいぶん警戒心が強くなったようだと自分でも呆れてしまった。数分前にもしこの少年に出会っていたら、目の前の少年ほどの子供なら生徒のように接することが出来たはずなのに。今ではただキツネの目の前でびくびくしているだけのウサギだ。
「そんなに警戒しなくても、何もしない。ほら、この通りだ」
ヘルガの怯えっぷりに少年は、ふっと笑い、自らの武器をすべて地に投げた。唖然とするのはヘルガだ。そして同時に自分の弱い心を恥じた。
「す、すみません! 初対面の方に失礼を、」
「いや、私こそ」
いい人、とヘルガはこの少年について思った。よくロウェナから「ヘルガはもっと他人に警戒心を持つべきよ」と言われていたが、その結果がこれなのだからヘルガは今までどおりにしておこうと親切に自分を心配してくれていた親友に心の中で謝るのだった。確かに警戒心はヘルガには欠けているものだったが、何にでもびくびくしていればいいというものでもない。一番の理由はヘルガの心がそれを望まなかったからだったが。
少年の名前はクラピカというらしい。変わった名前だと思ったが、それはお互い様なのでヘルガは黙っておくことにした。
これも何かの縁、ということで少しの間ヘルガはクラピカに同行することにした。地理も、通貨も何の知識もないヘルガにとって博識なクラピカはそれはそれは頼りになる存在に見えた。それでも話しているうちにヘルガのあまりの常識のなさにクラピカが疑問を持つのはあたりまえで。何よりクラピカはヘルガのあの、姿あらわしの瞬間を見ていたのだから。・・・話に夢中なヘルガはそのことを器用に忘れていた。
「わー、あれはなんていう生き物なんですか?」
妙な生き物が野原を闊歩しているのを見て、ヘルガは何度目かもわからない質問を問いかけた。クラピカはヘルガの問いかけにわかりやすく丁寧に答えてくれていたので、ヘルガはつい、あの3人と接しているかのようにな心地よい雰囲気を感じていた。
ヘルガの問いに、一瞬クラピカは答えようし、止めた。
「クラピカさん?」
「君は・・・ヘルガ、一体なにものなんだ?」
クラピカの碧眼がヘルガをじっと見つめる。ごまかしはおそらくきかない。忘れかけていた記憶が一気に鮮明になり、そういえばこれで二度目、なんてのん気に考える。マグルの前で二度も魔法を使ったなんてサラザールが知ったらどう思うだろう。それを考えると、興味深くもあり、怖かった。
「君は私の見ている前で、急にそこに現れた。それに君は不自然なほどあまりにも知らなさ過ぎる――演技だとしたらたいしたものだよ」
「・・・私も、信じられないんですけど――信じてくれますか?」
***
「――、話はだいたいわかりました」
「あ、敬語はいいですよー。いままでどおりでお願いします」
軽く頭を押さえるクラピカを見て、ヘルガは少し罪悪感を感じた。嬉しいといえば嬉しいのだけれど、これで本当によかったのだろうか? ヘルガという魔女の存在と、魔法の存在。それにこの優しい少年を巻き込んでしまって・・・。
「それではヘルガはこれからどうするつもりなんだ?」
「ええと、とりあえずこの世界のことをよく知ってみたいです。なにか調べるにしても、生活していかないといけないし・・・それから帰る方法を探すつもりです」
帰る――自分で言っていてヘルガは少し悲しくなった。ここは自分のいた場所ではない、とわかってしまっただけでこうも違うものなのか。情報が増えれば増えるほど、悲しくなってくる。重度のホームシックだ。
もうすぐ目的の場所に着く。そう、クラピカが言った。ここでお別れ、という意味だろう。クラピカの顔を見ていればそれくらいわかる。サラザールほどではないにせよ、この少年はとても不器用だ。
「はい、これからもよろしくお願いしますね。クラピカ」
「は?」
その一言が、嫌そうな声でなかったことにヘルガは微笑んだ。
あとがき。
タイム・リープっていう小説の中で主人公とクラスメイトの会話。うろ覚えだけど・・・。
「信じられないかもしれないけど・・・信じてくれる?」
「信じられる話なら信じましょう」
あー、なるほど。ってなんか思ったセリフ。上でそのまま出すのはちょっとあれなんで、クラピカのセリフははしょりました。
この話、悩みました。ヘルガさんを誰の近くに行かそうか。オリキャラとか出してもよかったんだけどねー。ゾルディック家か、ゴンのところか、クラピカで悩んだ。これから少しの間、クラピカと旅を続けます。原作の一年前だから・・・クラピカは武者修行的な・・・まだクジラ島には行きません。
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