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色々あって、ほんのりブルーな気分なので、せめてロロの幸せなところが見たい!ということで、まだノリで書いてみます。プロットもなし。設定だけなんか浮かんでいるので、書いときますね。

主人公はあやかしの見える、気の弱い(というよりチキンな)女の子。それを隠して、平凡に生きてきたけど、ある日道ですれ違った少年に憑いている幽霊を見かけて――
みたいな話です。






東京租界で何かが起こったらしい。ニュースでは毎日のようにそればっかり。死者何名だとか。行方不明の人も多いらしい。皇族が何を隠したがっているのかはわからないけど、はっきりとしたことは一切情報を与えてくれない。噂によるとゼロがまた何かしでかした、とか。

「私には関係、ないよね・・・」

携帯のニュース速報を見て、呟く。
所詮、私はただのブリタニア人だ。奇跡を起こす力もなければ、それを実行しようとする意思もない。この世界で私は普通に生きて、普通に死んでいく人間。
この、ブリタニアと黒の騎士団の争いでどちらが勝とうが、たぶん。――これは確信だけど、私は何も変わらない。ただ、住む場所の名前が変わるだけだと思う。我ながら、夢も何にもない考えだと思うけど・・・。

「わ、」

携帯を見ながら歩いていたせいか、人にぶつかってしまった。そして、はずみでよろけてしまった私を、ぶつかってしまったその人がスマートな動きで支えてくれた。

「す、すみません!」
「いや、」

私が慌てて頭を下げるとその人は素っ気無い感じで、すっと去って行ってしまった。
・・・もう少し、愛想があればいいのに、もったいないなぁ。
人のことは言えないけど、私が支えられた時に垣間見たその人はひどく端正な顔立ちで、綺麗な瞳の色をしていた。
私はしばらくの間その場に立ち尽くし、その人が見えなくなるまでその姿を目で追っていた。いや、目が離せなかった。

「いつまでそうして見てる気なの?」

――彼が角を曲がる瞬間、彼の後ろ寄り添うようにいる少年がそう、言った気がした。それも怖い顔で。
その瞬間、私は全力でその場から逃げた。



私が何したっていうの・・・!
よく考えずに走ってきた結果、ショッピングモールにたどり着いた。とりあえず、人の多い場所に行きたかったのだと思う。通りすがる人たちが、息を切らして今にも倒れそうな私を怪訝そうな顔で見る。

小さい頃から、そういう類のものを見てきた。母は血筋だといった。母も見えていたということもあって、少なくとも私は孤独ではなかった。いつもそばには母もいたし、そのものたちも皆私によくしてくれた。わらのにおいがする畳の上で幼い私を膝に乗せ、母は「あのものたちは人より信頼できる」といつも口癖のように言っていた。その母に影響されたのか、私もそのものたちを恐れるなんてことはなかった。今も、私は彼らが大好きだから。

でも、さっきのはなんだったのだろう。人、でもなかったし、そのものたちともまた違うように感じた。
私の見る「奇怪」はいわゆる魑魅魍魎やあやかしの類だ。かわいらしいものもいれば、私が敬語で話してしまうくらい怖いものもいる。
彼のようなものは一度も見たことがないのだ。
彼――、彼は幽霊、というものだろうか?


ポンポン、と誰かが私の肩を叩いた。無意識に私は後ろを振り向く。――ああ、その時もっと深く考えていれば――私の後ろは、勢いよく水しぶきをあげている噴水しかなかったのに。

彼は私の後ろに間違いなくいた。全体的に色素の薄く、どこかで見たような綺麗な瞳の色。女の子っていっても通用しちゃいそうな容姿。でも、彼の着ているものが彼を少年だと知らしめている。
もちろん私だけに。
彼は不機嫌そうな顔をしてそこに立っていた。いや、浮かんでいた。

それを理解した途端、私の口が勝手に悲鳴ともいえる代物を叫んだ。キャー、なんていうありきたりな叫び声。でも、それしか口に出来なかったのだ。
私のうるさい叫び声に彼はうるさい、とでもいうように顔をしかめていたが知ったこっちゃない。

キャーーーーー、ぐらい叫んでからやっと私の脳は活動をし始めたようで。ショッピングモールの、それも人が大勢いるところで急に叫んでしまったという事実が私をおかしくさせたんだと思う。あろうことに私は彼の手をひいて、一緒に走ってきてしまったのだ。たぶんその時の私の顔は真っ赤だったと思う。・・・思い出したくないけど。


「あ、あなた一体誰!? 幽霊!?」

今度は人気のない路地裏。この目の前の少年に何かされるんじゃないかっていう思いより、私は世間体をとった。はたから見ると私は大量に独り言を言っている女に見えるだろうから・・・うう。
私に連れられるままにきた彼は私とどうやら同年代らしい。制服を着ている。うん、それだけでもわかればいいや。

「答えたくない」

私の遠慮も何もない質問に少年は顔色一つ変えず答えて見せた。・・・答えてないけど・・・。
そこまで冷静だと、パニくってる私が馬鹿みたいじゃない。
こ、ここはガツーンと・・・! ガツーンと・・・ガ、ガツーンと・・・。

「そ、そうですか・・・」

私の馬鹿ー! そこはひいちゃダメなとこでしょーう!
少年は呆れてるような、驚いているような、微妙な表情で私を見る。・・・幽霊にまで馬鹿にされてるって、私・・・。というかまず、この少年は幽霊なの・・・って愚問か。だって浮いてるんだもんね。私より背、ずーっと高いもん・・・。浮いてるからね・・・。

「あ、あの・・・私、そろそろ、」
「あなたに、頼みたいことがあるんだ」

そ、そろそろおいとまさせてもらいたいなぁー、なーんて――ううん、なんでもないです・・・。
少年が真直ぐに私の目を見て、真剣な表情でそう言った。頼みごとがある、と。
わわ、私、頼みごとされるなんて初めてだ。いつもあやかしたちにお願いしてばかりだったし・・・。

「・・頼みごと、ですか?」

って、なんで私敬語!? いやいや、そりゃあね、たまに私だってあやかし相手に敬語使ったりもするよ!? でもでもなんでこの少年にまで敬語!? この少年は鵺みたいにしぶくないのにー!
そんな私の動揺を無視して、少年は頷いた。

「そう、あなたにしか頼めないんだ・・・ほんとはあなたなんかの手を借りたくなんてないのに――」

そんなこというんなら、私だって今日、あんたなんかに会いたくなかったわよ! あああ、あの時やっぱり見てみぬ振りするんだった。つい、かっこいい男の子だったから、つい、目に入っただけよ!
・・・って言えない私の馬鹿ー! ついでに押しに弱い私の馬鹿ー!






「兄さん。僕のことは気にしないで、兄さんは生きて。生きること、諦めないで。ずっと、見てるから、兄さんの未来を――だから、兄さんは生きて」


ロロ(あの黒い髪の少年がそう言っていた)の頼みとは、私の体を少し貸して欲しいということだった。どうしても伝えたい言葉があるから、って。押しに弱い私はそのまま押し切られるようにして承諾。というより煮え切らない私にしびれを切らして、無理やり私の体をロロが乗っ取った。
ロロの意識と私の意識は同時に私の体に存在していたから、ロロの意識も私に流れ込んできた。

すぐにロロは、兄さん――ルルーシュ・ランペルージに会いに行こうとした。おかしなことに精神は二つ存在するのに、主導権はロロにあるようだった。でも、今ロロは私の体の中にいる。たとえ、そのルルーシュ・ランペルージに会ったとして、ロロが私の体から出て行った後、そのルルーシュが何もしないまま私を帰すとは思えない――ロロは意外にも今日会ったばかりの私の心配をしてくれたのだ。

で、結局。
ロロが私の体を使ってボタンを押していく。・・・私まで緊張してきたのはたぶん、ロロの強い思いが私に流れ込んできたせいだと思う。耳に当てている公衆電話の受話器から弱弱しい声が聞こえてきた。「・・・もしもし」の一言で私の心臓は跳ね上がる。・・・これもロロの感情。

兄さん、とロロが呟く。声自体は私の声だけど、どうやらルルーシュ(もうそう呼ばしてもらおう)の方は何かに気づいたようだった。私が危惧していた、いたずら電話と思われないか、はクリアーしたようだった。

一方的にロロが話し続けている。ロロの表情はそれはそれは嬉しそうで、その嬉しい、という感情が私にも流れ込んできた。
ロロが世間話をするつもりがない、とは知りながらも私はロロにもっと話せばいいのに、と思っていたのだけれど、それをロロはうるさい、の一言で片付けてしまった。



ロロが一方的に電話を切った。そして、これ以上この体にはいたくないとでも言うように、すぐに私の体から出て、私をまた宙から見下ろした。失礼なヤツ。

「一応、礼は言うよ」
「いや、それ言ってないよ」
「・・・・・」
「・・・ね、これから、どうするの?」
「あなたには、関係ない」

ルルーシュ相手だとあーんなに素直なのに・・・、可愛くない。
・・・? なんで、私こんなにコイツのこと気にしてるの!? これからのこととか聞いちゃってるしー! ほんと、私、無関係なのに・・・。

「ね、年に一回、だけなら私、あんたに協力してもいいよ・・・!」

・・・私の馬鹿ー!
声震えてるし、それにここは「そうだよね、じゃ、私、これで」ってかっこよく帰るところでしょー!

「年に一回、って・・・他に、言うことないんですか」
「そ、そうだよね・・・うん」

何だ、年に一回って。クリスマスでもイヴを数えれば二回あるのに。
もう嫌だ。ロロは呆れたように私を見てくるし・・・!
何か喋ってよ・・・!この沈黙が痛々しいんです、私には。

「僕、織姫と彦星なんて嫌いなんです」
「? なに、」
「だーかーら、」


「これからも会いたいと思うんだったら、素直にそう言ってください」

幽霊の言葉で赤くなるなんて初めてです。
・・・私の馬鹿。






あとがき。
やっぱりプロットないとやばいです。私の頭の中でこう、いくつも枝分かれしそうになりました・・・例えば悲恋とか。これ以上落ち込んでどーするんだー!コンセプトはロロの幸せ、だったばずなのに・・・。うん、まぁ、ロロはこれからもルルーシュを見守ってくれていたらいい。

可愛げのないヒロインはどうしても意地っ張りになる。でもここぞというときに積極的になる・・・。久しぶりに一人称を書いた気がする。ギアスは・・・うーんあれはごちゃまぜだからねー。個人的に人称ごちゃまぜが一番書きやすいです。
ではではまた。
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